あたしたちは、いつも三人でつるんでいた。
不思議な関係。
三角?そうでもない。
だって、三人一緒になんでもするんだもの。
あたし紗織(さおり)と宏樹(ひろき)と資(たすく)は高校の時に同じクラスで知り合って以来、もう九年も付き合っているの。

あたしと宏樹が最初に、いい関係になっていて、宏樹の幼なじみだった資の童貞をもらってやってくれという宏樹のたっての願いに、あたしがほだされたことから、お互い均等なお付き合いになってしまった。
宏樹は資と「穴兄弟」だと言って、より親密になったと言うのだった。

世間で言う「3P」をあたしたちは、高校時代から普通に行っていた。
「紗織は、どうなんだ?」
「なにが?」
「男二人と犯(や)られるのって」
「宏樹と資だからいいのよ。ほかの男だったらぜったいやらない」
あたしはきっぱりと言った。
二人も見つめ合って、にっこり満足そうだった。
いつも、宏樹の家で三人は会っていた。
会えば、セックスをし、男同士の睦み合いもあたしは見学させてもらうのだった。
宏樹は、がっしりタイプでペニスも立派だったが、資はきゃしゃで、神経質な感じでペニスはやや小ぶりだった。
でも、カリの張ったいい形をしていると、宏樹が資をほめる。

宏樹があたしを後ろから貫き、あたしが資の硬いモノをほおばる。
そうやってサンドウィッチにされて犯されるのが、たまらなく素敵に思えた。
あたしは、変態なんじゃないかとこのごろ思うのだった。
セックスなんか、いやらしく、あたしには縁遠いものだと思っていた高校時代、そんな思いは宏樹によっていとも簡単に崩れ去った。

宏樹の家は母子家庭で、父親が女を作って出て行ってしまったという。
だから母親はパートや夜の仕事で家を空けることも多く、宏樹が言葉巧みにあたしを自宅に呼び、あたしは処女を捧げてしまった。
その、高校生とは思えないめくるめく性技にあたしはとりこにされた。
自分でもしない、快感の技を教えこまれ、一人になってもそれを思い出して密かに楽しむようになってしまった。
宏樹は、たぶんだいぶ遊んでいたんじゃないかと思う。
彼は、黙して言わないが、十七の少年がそんなに女のツボをわきまえているなんておかしいから。

以来、週に何度も、交わった。
あたしからも求めた。
いや、そのほうが多かったかもしれない。
生理でもなんでもお構いなしだった。

そして、とうとう、資(たすく)の話が出て、
「俺の親友なんだ。俺たち、ホモっていうか、そういう仲なんだ」
と告白されて、とまどった。
「でもさ、資は女を知らないんだよ。そんで、相手してやってくれないか」
「いいよ。資君なら」
あたしは、小林資というクラスメイトを知っていたし、何度か話もしたことがあった。
学究タイプで、セックスなんて、まして宏樹とそんな関係にあるなんて思いもよらなかったから、小林君に興味がわいた。

そうやって、3Pの関係が始まったの。

精液まみれにされ、膣はがばがばになって、あたしは汚れた。
でも、三人の関係はよりピュアになった。

だから、成人した今も三人は一緒。
籍は入れられないけど、あたしは二人の夫を持っているの。
そして、今、どっちの子かわからない命を宿している。

この先、どうしていったらいいのか、皆目わからない。

秋風が身にしみた。
今晩は、お鍋を三人で囲もう。