与志雄(よしお)は、母親を犯していた。
最初は、母の照子から誘ったのだった。
山奥のひとつ屋根に住まう、母子は禁忌を犯したのだった。

息子が、自分たちが畑でつくっている蒟蒻(こんにゃく)で自慰にふけっているのを照子がのぞき見て、不憫に思い、相手をしてやったのがきっかけだった。

夫を早くになくし、一人息子の与志雄が貧農の大黒柱だった。
たくましく成長を遂げた与志雄のなかに亡き夫の影を見、照子の心は、次第に息子に対する愛情から恋情に変わっていった。

こんな群馬の僻地に息子の嫁に来てくれる娘などいなかった。
それが照子の息子への憐憫となって、この忌まわしい関係が続いている。

「おっ母(かあ)は、おまえの蒟蒻じゃねぇべ。おっ母だっておなごだ。もっと気持ちよくなりてぇべ」
「すまね、おっ母」
与志雄は母、照子のおまんこを舐めようと体を入れ替えた。
色の変わった敷布団が人型にしわを刻む。
燭光が、与志雄の影をゆらす。

外の風が強くなったのか、戸板を叩く音が耳障りだった。

ぺちゃ、ぺちょ…
猫が水を舐めるような音が与志雄の口から発せられ、照子の内ももがぴくり、ぴくりと引き攣れる。
「あはぁ、よしお~」
「おっ母、いいけ?」
「いいよぅ。おまんこ、いいっ」
「おら、がまんできね、入れるで、おっ母」
「ああ、入れとくれ、お前のぶっといちんこを入れとくれぇ」
与志雄はせわしなく、母の足の間に入り、一気に肉の棒をぶち込んだ。
「ふあっ」
「おっ母、締まるぜぇ」
「あひあ」
五十路の、農作業で鍛えた固太りの照子は、息子の突きに応えるべく、かつて息子が出てきた産道でその猛り狂った肉棒を締め上げる。
自分より大きな息子に覆いかぶさられ、彼に顔中を舐められ、唾液と汗にまみれながら、肉をぶつけ合う母子。

夜這いの風習があったおりは、照子も村の若衆に体を預けた経験もあった。
まだ与志雄が小さい折だった。
夫はすでに亡く、未亡人は童貞の慰み者として奉仕しなければならなかった。
照子はしかし、厭わず、彼らに惜しみなく体を開いてやった。
与志雄に貫かれながら「あの頃」を思い出していた。
「ああっ、もう、やってちょうだい」
「いいか?おっ母、いくでぇ」
「あふううん」
犬の遠吠えのような叫びを上げて、母は果てた。
そしてほどなく、息子は母の胎内に子種をぶちまけたのである。
あ、ああ、ああああ…
泥のように二人の獣(けもの)がもつれ合い、重なりあっていた。

どこかで犬が、照子の声に反応して吠えていた。