玲央(れお)とは五年目になる。
あたしは、彼にねだられるままペニスをこすってあげる。
お口でしてあげることもある。
「ねえ、まだぁ?」
「も、もうちょっと」
さっきまで硬かった玲央のおチンポが、心なしか軟らかくなってきたみたい。
「じぶんでやりすぎなんじゃない?もう」
あたしはいい加減、腕がだるくなってきた。
こういうネットカフェでカップルがやることって、こんなことぐらいだろう。
どこかに隠しカメラなんかがあって、丸見えなんじゃないかしら?
「ねえ、ふにゃってきたよぉ。お薬飲む?」
「やだよ。ちょっと休むか」
「エロいの見てんのにね」
ネットのスケベ動画を、玲央ったら十八・九のころから見ていると言っていた。
「ほらぁ、女優さんが、レオの好きな騎乗位で腰振ってるよ」
「うん、見飽きたな」
「こんなの見てシコッてるからよ。あたしの見る?」
「そ、そうだね。見せて」
「しょうがないなぁ」
あたしはデニムのパンツとボーダー柄のショーツを脱いだ。
蒸れたあそこの匂いがきつく漂う。
お風呂はおととい入っただけ。
「くっさ」
「なんだよ。このおしぼり使えよ」
「貸して」
店が飲み物といっしょにくれたおしぼりをあたしは手に取って、ぐじぐじとおまんこに押し付けて拭いた。
「なんか、ついた」
「きったねぇな」
「玲央、好きじゃん」
あたしは、にっと笑って、言ってやった。
「ほら」
汚れたおしぼりを玲央の顔の前に押しやる。
「やめろって。さて、見せてもらおっかな」
「どうぞ」
あたしは椅子にもたれて、腰をやや上げた。
玲央の指がなぞる。
「うぞぞ」
「気持ちいいのかよ」
「いい」
「おれ、立ってきた」
「でしょ?あたしのが一番っしょ?」
「入れていいか」
「ここで?」
「少しだけ」
玲央は言ったらきかない男だった。
あたし、体が硬いのでこの姿勢で玲央に貫かれるとつらい。
ごき、ぐき…

「痛いよ」
「狭いんだ。辛抱しろよ」
ぐにっと玲央の硬い先端があたしを刺した。
何度も受け入れた肉の剣。
あたしもそこそこ濡れてたから、痛みはなかった。
でも股関節は痛い。
「ああん」
声が出た。
「このまま、出そうか」
「らめぇ」
「危ない日?」
「そーだよぉ」
あたしは涙目で訴えた。
「でも、出したい」
「お口で出しなよ。じゃぁ」
「出ない」
「なんでぇ」
「なんか、ミクの口だと逝けないんだ」
「どおゆーこと?」
あたしは、貫かれながら怒っていた。
「はひは」
それでも膣を亀さんがこする快感には勝てなかった。
ますます、音がするほどお汁が出てしまう。
歯を食いしばっている玲央がかわいそうになってきた。
「いいよ。逝きなよ」
「いいのか」
「ゴムないし…」
「ありがとぉ」
「責任とれよっ!ああん、やん」
「とって…やる…よ」
あたしの髪の毛に鼻を突っ込んで、玲央はがくがくと震え出した。
あたしの中の玲央がぶっと膨らんだようだった。
「で、でてる…」
「ミクっ。好きだっ」
「あたしもっ」
ぎぎぎ…と椅子が床を擦る。
薄い壁がたわむ。
「やばいよ。お部屋壊れるよ」
「おっと」
じゅるり…
あたしの中から長いモノが抜かれた。
玲央の濡れた剣はだらっと下を向いていた。
ぽっかり空いたあたしのほら穴。
玲央のための穴。
息しているみたいに、ひくひくして…
そしてどろっと、玲央の命が流れ出てきた。
「ティーッシュ!」
受けてくれる玲央。
「うはっ、たくさん出たぜ。溜まってたもんなぁ。お花見セックス以来だもんな」
ごちゃごちゃうるさい玲央である。
「やめてよ。隣に聞こえるわよ」
「大丈夫だって。ヘッドホンしてるさ」
「そうかなぁ」
ぜったい、壁に耳を押しあてて、あたしたちのしていることを聞いているに違いない。

「女の中で逝けない男が増えてんだって」
服を整えて、一仕事を終えた玲央が口を開いた。
「なんで」
「感覚が鈍るんだろ」
「手コキのやりすぎ」
「それもあるけど、手コキでも立たなくなったりするんだそうだ」
「じゃあ、エッチなこと考えても立たないんだ」
「たぶん、普通のエッチじゃ立たないんだろうな」
「玲央もそんな感じだよ。あたしがさわってあげても硬くなんないじゃない」
「そうだよなぁ」
「あたしたちも終わりね」
「そんなことないよ。そんなこと言うなよ」
「ふふふ、なんかジジババの会話みたい」
「倦怠期ってか?」
「難しい言葉知ってんのね」
「おやじたちがそうなんだよ」
「家庭内別居?」
「とっくにそうだよ」
「ご愁傷さま」
あたしは、スナック菓子もなくなってきたので、買い出しに行こうかと玲央を誘った。
「もう出よう」
「じゃあどこいくの?」
「おれのアパート」
「お兄さんいるんでしょ?こわい」
背中や腕にタトゥーを入れている玲央の兄が同居しているのだった。
「今日はクラブに行ってるから、この時間はいないはず」
「ほんとぉ?」
とにかくあたしたちは出る支度をした。