横山さんと別れて、おれたち母子は今日の宿を南インターに探した。
城南宮の北側の道に面してラブホ通りという風情だった。

中をぐるぐる回って、かわいいネコの絵のあるホテルに入った。

そこは駐車場から直接、部屋に行ける階段があって、だれにもまったく会わないように工夫されていた。
「うわぁ、どこが部屋?」
靴脱ぎの場所からすぐ洗面台でドアが三つある。
ひとつは非常口であと二つのいずれかがベッドルームだろうか?
「こっちはトイレだ」
「じゃあ、ここしかないじゃない」
母が開けるとベッドが見えた。
「お風呂はここよ」
入った左に風呂場が見え、その中はかなり広かった。
「すっげ。このマット」
「あはぁ…それは」
空気の入った一畳より幅のあるピンクのマットが壁に立てかけてあった。
母が言いよどんでいるが、こんなホテルだからいかがわしい用途に決まってらぁ。
もう、おれは驚かなかった。
エッチな番組だって観てもいいんだ。こういうところでは。
「ソフトクリームがお二つ、サービスだって」
「おっきなテレビだね」
「カラオケもできるよ」
おれらは、子供みたいにあちこち品定めし、ついに冷蔵庫をあける。
そこにはバイブだの、コンドームだの大人のおもちゃが有料で入っていた。
「こんなのまであるよ」
「ばか、開けちゃダメ」
頭をはたかれた。
「いてぇな」

夕食は和風ハンバーグ定食とアイスコーヒーで、母はまたビールを頼んだ。
「今日はいっしょにお風呂入ろう」
母の方から誘ってきた。
「いいのかよ。おれ、母さんを犯っちゃうかもよ」
「しかたないじゃん。男と女だもの」
こんな、さばけた母の姿を初めて見た。
「コンドームしようか」
「したければ…」
「しなくてもいいのかよ」
「いいわよ。べつに」
「だって」
「赤ちゃんできちゃうって?しんちゃんも優しいとこあるのね。好きよ、そういうとこ。父さんはまったくそういうこと考えてくれなかった」
「だから、できちゃった婚になるんじゃ」
「そうね。そうだよねぇ」
おれは、ハンバーグを箸で切ながら口に運ぶ。
うまい!
こんなホテルの食事なんて大したことないと思っていたが、予想外だった。
「おいしいね、このハンバーグ」
「でしょ?こういうところでもお料理には力を入れてるのよ」
「へぇ」

食後に、風呂に入った。
ゆったりとしたバスルームは家庭のものの二倍以上はあるだろうか?
「これをね、ここに敷くの」
立てかけてあったエアマットを母が、寝かせる。
だからこのバスルームは大きいのだ。
「さ、ボディシャンプーをつけて、寝てごらんなさいな」
「え、うん」
おれは、半立ちのペニスをぶらぶらさせながら、言われたようにボディシャンプーを塗って仰向けに寝た。
母もボディシャンプーを泡立ててお乳に、お股に塗りたくりながら、おれにかぶさってくる。
もう二人の間には遠慮や、わだかまりはなかった。
ふつうの恋人同士だった。
「ほぉら」
くにゅ、くにゅ
女体がおれの上を滑る。
しこった乳首がおれの胸板を掻くように回る。
ペニスは母の柔らかな腿に挟まれ、しごかれる。
それだけで逝ってしまいそうだった。
亀頭が吸い付くような肉の襞(ひだ)で翻弄される。
「ああ、母さん、だめだよ、そんなにしちゃ」
「あらら、もうだめ?童貞君にはきついかなぁ」
こんなことを言う人ではないはずなのに…
これが十七年間育ててくれた母なのだろうか?
「しんちゃんの、すっごくかたぁい」
「そりゃ、こんなことされちゃ」
「もっとしてあげる」
母が身を起こすと、なんとおれのペニスをしゅるっと胎内に納めてしまった。
「ああん、入っちゃったぁ」
「知らねえぞ。中に出すぞ」
「いいわよぉ。いっぱい出しなさい」
「どうすんだよ。妊娠したら」
「産んだげる」
「そうなりゃ、息子?娘?弟?妹?」
「あなたの子よ。ああん、いい。すっごくおっきぃ」
母は腰をくねらせながら、おれを感じてくれている。
その温かい、肉の宮殿におれは精をぶちまけようと高まっていた。
「おっぱいも可愛がってよ」
母がねだる。
こんな愛らしい女がいるだろうか?
ずっとこれからもこの女性といっしょに暮らすんだという自覚が生まれた。
ここにいるのは母じゃない。
母に似た恋人だ。
そうだ、そうに違いない。
「なつみ…おれ、もう」
「あらあら、あたしを名前で呼んでくれるの。慎吾くん」
「なつみぃ!」
「しんごっ!」
そのとたん、どぴゅぴゅぴゅ…と、おれのこらえ性のない射精が始まってしまった。
オナニーより数倍すばらしい快感だった。
「ああら、でちゃった」
びっくりした顔の母。
おれはばつが悪かった。
でもこれで童貞ではなくなったのだ。
「ありがとう。母さん…じゃなかった、なつみ」
「あたしこそ、ありがとう」
二人は熱いキスを交わしているうちに、ペニスが母から押し出された。
ぶじゅ…
長い夜になりそうだった。