おれは間近で純子をみつめた。
眼鏡越しの黒目がちなつぶらな瞳。
そして右側の目の下に小さな泣きぼくろ。
肌が白いからか、くちびるがいやに赤く見えるのがなまめかしかった。
「どうしたの?あたしの顏、変?」
「そんなことないよ。こんなに近くで女の子の顏を見るのがはじめてやから」
「じゃ、男の子ならあるの?」
「それはない」
「抱いて」
おれはもう一度、純子をコートの上から抱きしめた。
「はあっ」
大きく息を吐く純子。
純子の手もまた、おれの背中を掻き抱(いだ)く。
そうすることでお互いに愛を確かめ合うように。
「脱ごうか」
おれは、離れてそう言った。
「うん」
二人は立ち上がって、互いに見つめ合いながら、一枚一枚、着衣を取り去っていった。
まるで儀式のように…
純子がセーターを脱ぎ、丸い襟から首を抜いた時、メガネが落ちた。
「あっ」
静電気で髪が頬やあごにまとわりついた彼女の顔が妖しく、色っぽく見えた。
ブラウスを突き上げている二つの丘…

とうとう、おれはパンツ一枚、純子がブラとショーツ、靴下だけの姿になった。
おれはたまらず、純子を抱き寄せた。
「ああ、あったかい」
「じゅんこ…」
「小縣くん」
やわらかな肉の感触が、おれを瞬時に最大限にまで勃起させた。
純子とおれは同じくらいの背丈だった。
だから女の子の間では、純子は大柄な方だと思う。
おれは、股間を純子のあそこあたりに押し付けた。
「すごい…硬くなってる」
「そうや、ジュンちゃんのせいや」
「あたしの?」
抱き合いながら、おれは話した。
「女に入れたいから、コイツが硬くなるんや…知ってるやろ?それくらい」
「知らない」
「うそつけ。カマトトぶって」
おれは笑って、そう言ってやった。
「ほんと、知らないもん」
「触ってみ」
純子の手を取って、その部分に触れさせた。
最初、つまむように「山」の部分を触っていたが、だんだん大胆に握ってきた。
「おおきい…すっごいかちかちよ」
「だろ?ジュンちゃんに入りたいって、こいつがいきりたってんねん」
「なんだか、別の人格みたいに言うのね」
「ああ、別人格さ。おれにはどうすることもできない」
「シャワーしていい?」
「そ、そうやな」
おれは、今まで自分のことしか考えていず、恥じ入った。
女性は、やはりちゃんときれいにしておきたいものなのだろう。
おれがバスルームに入って、準備した。
「この栓をひねったらお湯が出んねんな」
後ろから純子が、素っ裸でタオルで前を隠した姿で声をかけてきた。
「たぶん、うちのと一緒やから、わたしがするわ」
「そ、そうか。じゃあ」
おれは、こぼれるバストにどぎまぎして外に出た。
風呂の戸を閉めて、おれもパンツを取り去った。
ベッドサイドに腰かけて、がっちがちに勃起した分身を握り包皮を剥き切った。
「もうすぐやで。待っとりや」
そう自分のペニスに話しかける。
シャワーの音が激しくして、純子が洗っているのがドアのすりガラス越しに見えた。
女がシャワーする姿を見るなんて初めてだった。
丸い尻が近づいてはっきりしたり、遠のいてぼんやりしたり…
ドアが突然開いて、湯気がこぼれだし、濡れそぼった純子の顔がのぞく。
「小縣くんも、入っておいでよ。寒いでしょ」
「え?いいの?」
「はずかしい?」
「いや、そんな」
えらく積極的に変化した純子におれは戸惑った。
「あの子、ほんまに経験ないんやろか?」
ここまで来て、もうどうでもいいことやった。