洗い髪で濡れそぼった律子の顏が、妖艶な表情で私を見つめる。
私の勃起は維持され、律子は手を添えてその硬さを確かめるように輪郭をなぞる。
「君たち夫婦はこういうところでしてたのかい?」
我ながらバカな質問だと思った。
「戸田さんには刺激が強すぎたかしら?そうね、だいたいあの人はラブホでしたがった」
「そう…」
「でもね、最初だけ。だんだん仕事を理由に私は愛されなくなっちゃった」
律子は私の右手をつかんで、彼女の性器にいざなった。
「さわって」
「ああ」
律子は私のものを握り、私は水中の花びらを押し広げた。
「はうん」「ああ、ぬるぬるだ」「戸田さんが…」
向かい合って私たちは、互いをいじり合った。
「ねえ、戸田さん、ここでつながっちゃおうか?」「え」
湯船でセックスをしようというのか?
「こうやってね。あたしもう、がまんできないから」
律子は私の上になり、狭いバスタブは波立った。
腰を浮かせて私の勃起を手で支え、柔らかな肉の「吸い込み口」に分身は消えた。
「あはぁ、やっぱり硬いわぁ」
「ついに入ってしまった。感激だよ、りつこ」
「ふふふ。おめでとう。ああ、でもごめんね、あたし久しぶりだから、楽しませて」
そういうと律子は激しく腰を使い出した。
双乳が弾み、私は水没しそうになるのをこらえ、一方で射精感に耐えたが…
初めての女体の刺激に、抗えなかった。
「だめだよ。出しちゃうよ。りつ子」
「もうちょっと、しんぼうしてっ」
「そ、そんなぁ」
情けない声をあげて、私は耐えた。何か別のことを考えよう。
律子の腰が止まり、おおいかぶさって強い接吻を浴びせてきた。
はんむ…あむ…
私はその熱と女の体臭で射精を迎えてしまった。
「ううう、いくっ」
どくどくどく…終わらぬ放出が律子の中で行われた。
「出しちゃったよ」
いたずらをした子供のように、私は律子に告げた。
「いいのよ。戸田さん」
つながったまま、律子は私のほほを指先で撫で、愛おしんでくれた。
「でも、妊娠しちゃうかもよ」「大丈夫よ。私は子供ができないのよ」「ほんとに?」「だから、あの人に捨てられた…」

「じゃ、離れるわ」
私の軟らかくなった分身が律子の胎内から引き抜かれた。
同時に堰を切って白濁液が湯船に流れ落ちた。その量と言ったら…
「わぁ、すごい。これじゃ、赤ちゃんできちゃうかも」
「大変だ」
「いいじゃない。お見合いの人にはまだ返事してないんでしょ?」
私はドキリとした。そうだった。角野さんとはどうしたらいいのだろう?
律子は確信犯だったのか?
角野さんを諦めさせるために、今日のたくらみをしでかしたのか?
私は風呂場に置き去りにされた。

体を拭いて、部屋に戻った。
バスローブが用意されていて、「それ着てよ」「あ、ありがとう」「ご飯、冷めちゃったね。あ、ここ電子レンジがあるわ」
情事の終わった彼女は、食事の用意をさっさとしている。
私は氷の解けかかったアイスコーヒーをブラックのままぐっと飲んだ。
このまま律子と一緒になるのも悪くないな…
劇団で鍛えた彼女の体躯は、やや緩みかけているとはいえ、しっかりと熟していて、私は虜になりそうだった。
そしてまた勃起が頭をもたげ始めている。
射精した後は、なかなか回復しない私だったが、今日は違った。
私たちは食卓についた。
「じゃ、いただきます」「ああ」「どうだった?初めての経験は」「よかったさ。また硬くなってるよ」
私は、バスローブの前を少しはだけて見せた。もう羞恥心はなかった。
「すごぉい。うれしくなっちゃう。あたしでよかったのかな」
「りつ子でよかった。ほんとにありがとう」
「無理やりこんなところに連れ込んで。あたしこそごめんね」
「いや、いいんだ」
「でも…戸田さん。その、角野さんだっけ、その人がよければ、そうすればいいのよ」
真面目な顔で、律子が言うのだった。
「わたしは、まだ飯塚と切れてないんで、あなたを束縛することはできないから」
「…」
「またしようか?」
食べ終わった彼女の方から誘われた。
「うん。でもコンドームをしよう」「しなくていいよ」「だって」「さっき、中に出しちゃったから、もう遅いよ」
それもそうだった。
私たちはベッドにもつれ込んで、食べた後の油っぽい唇を重ね合った。
そして最初から、深々と挿入して見つめ合うのだった。