ギャラリーを出た後、おれたちはサーティーワンに入り、アイスを買った。
「帰る?」
「うん」
歩き疲れたのか、美香は言葉少なだった。
地下駐車場に向かって歩き出した。
ずいぶん西の方に歩いてきたので、引き返さなければならなかった。
「やっぱ、暑いなぁ」「うん」「どっかで休憩していこうか」「え?」
もちろん休憩とはラブホテルのことだ。
美香はこわばったような表情をしている。
「お兄ちゃん、やっぱりそのつもりだったの?」
「あ、いや、そういうわけじゃあ…」
おれはごまかした。
上目遣いに愛らしい顔で美香が「いいけど…」と言ったのだ。
「いいけど、ホテルはいや。お兄ちゃんのお部屋がいい」
そう言ったのだ。
「え?おれの?散らかってるぜ」
「それでも、お兄ちゃんのところがいい」
今度はきっぱりと言い切った。
「そうか、わかった」
おれとしては、どこでもよかった。
かえって、自分の部屋のほうが落ち着くというものだ。
おれたちは、車に乗り込み、しばらく無言だった。
「ほんとに、おれんちに行くよ」
彼女は首をかすかに縦に振っただけだった。
おれは車を発進させ、暗い地下駐車場から炎天下の国道に出た。
このまま南下すれば、福良インターのホテル街だが、もはやそこは目的地ではなかった。
「帰る?」
「うん」
歩き疲れたのか、美香は言葉少なだった。
地下駐車場に向かって歩き出した。
ずいぶん西の方に歩いてきたので、引き返さなければならなかった。
「やっぱ、暑いなぁ」「うん」「どっかで休憩していこうか」「え?」
もちろん休憩とはラブホテルのことだ。
美香はこわばったような表情をしている。
「お兄ちゃん、やっぱりそのつもりだったの?」
「あ、いや、そういうわけじゃあ…」
おれはごまかした。
上目遣いに愛らしい顔で美香が「いいけど…」と言ったのだ。
「いいけど、ホテルはいや。お兄ちゃんのお部屋がいい」
そう言ったのだ。
「え?おれの?散らかってるぜ」
「それでも、お兄ちゃんのところがいい」
今度はきっぱりと言い切った。
「そうか、わかった」
おれとしては、どこでもよかった。
かえって、自分の部屋のほうが落ち着くというものだ。
おれたちは、車に乗り込み、しばらく無言だった。
「ほんとに、おれんちに行くよ」
彼女は首をかすかに縦に振っただけだった。
おれは車を発進させ、暗い地下駐車場から炎天下の国道に出た。
このまま南下すれば、福良インターのホテル街だが、もはやそこは目的地ではなかった。
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